慶應義塾大学医学部呼吸器内科 | 後期研修 東京

当科・石岡宏太先生、茂松梨咲先生らの論文がCurrent Problems in Cancer: Case Reportsに掲載されました

題名

Autopsy of a Patient with Fatal Epstein-Barr Virus-Associated Encephalitis after Treatment with Immune Checkpoint Inhibitors for Advanced Lung Adenocarcinoma: A Case Report

邦題

進行肺腺癌に対する免疫療法後にEBウイルス関連脳炎で死亡した１剖検例

著者

Kota Ishioka 1, Koichi Oki 2, Shigemichi Hirose 3, Tomoyo Oguri 1, 4, Shinji Sasada 1, Saori Murata 1, Yumi Tsuchiya 1, Lisa Shigematsu 1, Hidefumi Narita 2, Tomohide Adachi 5, Yuki Fuji 6, Morio Nakamura 1, Shigehisa Kitano 6, Koji Kato 7, Koichi Ohshima 8, Saeko Takahashi 1

1. Department of Pulmonary Medicine, Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan.

2. Department of Neurology, Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan.

3. Department of Pathology, Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan.

4. Department of Clinical Oncology, St. Marianna University School of Medicine, Kanagawa, Japan.

5. Department of General Internal Medicine, Tokyo Saiseikai Central Hospital, Tokyo, Japan.

6. Division of Cancer Immunotherapy Development, Advanced Medical Development Center, The Cancer Institute Hospital of Japanese Foundation for Cancer Research, Tokyo, Japan.

7. Department of Hematology, Oncology and Cardiovascular Medicine, Kyushu University Hospital, Fukuoka, Japan.

8. Department of Pathology, Kurume University School of Medicine, Fukuoka, Japan.

掲載ジャーナル

Current Problems in Cancer: Case Reports 2021; 4: 100108.

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666621921000569?via%3Dihub

論文要旨

免疫チェックポイント阻害剤 （ICI） は、肺癌を含む多くの癌の予後を改善している。一方、ICI治療による免疫関連有害事象 （irAE） の発症メカニズムは完全には明らかになっていない。ICIにより免疫状態が変化することで、日和見感染を悪化させる可能性があり、EBV感染症もirAEの発症に関与している可能性がある。本症例は、Pembrolizuabを3サイクル投与後に脳炎を発症し死亡した67歳の進行性肺腺癌症例の報告である。治療中の脳脊髄液と血液検体でのPCR検査ではEBV陽性であり、死亡後剖検検体において、脳内のEBV感染細胞の周囲にはリンパ球浸潤を認めた。ICI投与による免疫再構築後にEBVに対する免疫応答が増強され、致命的な脳炎を発症した可能性が示唆された。今後、irAEと日和見感染のデータを蓄積し知見を積み重ねることで、予防につなげることができるかもしれない。

本論文は、本例の臨床経過や剖検所見について、院内院外のスペシャリストの方々に広く相談とご教示をいただきし、知見やご示唆をまとめたものである。

本論文の与えるインパクトや将来の見通し

ICIの有害事象のマネジメントは重要である。本症例はそのメカニズムのひとつを示唆する貴重な剖検症例であった。ICI使用前に日和見感染症の網羅的検索し知見を蓄積することが、有害事象の発症回避の一助となる可能性がある。

本題の要旨は、肺癌制御医学セミナー2019 (2019年11月東京、演者：茂松梨咲、最優秀演題受賞) および第60回日本呼吸器学会学術講演会 (2020年9月Web、演者：茂松梨咲) で発表した。

• Achievements
• 岡田真彦先生らの論文がOTO Openに掲載されました。
• 齋藤彩夏先生らの論文がCancer Medに掲載されました。
• 中川原賢亮先生らの論文がClin Nutrに掲載されました。
• 福永興壱教授らの論文がMycosesに掲載されました。
• 伊藤史麿先生らの論文がBMJ Open Respir Resに掲載されました。
• 済生会宇都宮病院の馬塲里英先生らの論文が「アレルギー」に掲載されました。
• 福永興壱教授、南宮湖講師（感染症学教室）、中鉢正太郎講師らの論文がJ Gastroenterolに掲載されました。
• 福永興壱教授、田野﨑貴絵先生、馬塲里英先生（済生会宇都宮病院）らの論文がClin Trans Allergyに掲載されました。
• 入江美聡先生らの論文がSTAR Protocに掲載されました。
• 永寿総合病院の楠本竜也先生らの論文がSci Repに掲載されました。
• 東京歯科大学市川総合病院の八木一馬先生らの論文がJGH Openに掲載されました。
• 寺井秀樹講師らの論文がRespir Investigに掲載されました。
• 東京医療センターの渡瀬麻友子先生らの論文がRespir Resに掲載されました。
• けいゆう病院出向中の小澤拓矢先生らの論文がHypertens Resに掲載されました。
• 砂田啓英也先生らの論文がAllergol Intに掲載されました。
• けいゆう病院の橋口水葉先生らの論文がNPJ Prim Care Respir Medに掲載されました。
• 永寿総合病院の楠本竜也先生らの論文がAnn Hematolに掲載されました。
• 済生会宇都宮病院の馬塲里英先生らの論文がJ Allergy Clin Immunol Globに掲載されました。
• 福島貴大先生らの論文がMetabolismに掲載されました。
• 櫻井香先生らの論文がHypertens Resに掲載されました。
• 福永興壱教授らの論文がAllergol Intに掲載されました。
• 島田嵩先生らの論文がRespir Medに掲載されました。
• 田中拓先生らの論文がInt J Infect Disに掲載されました。
• 加畑宏樹先生、鎌谷高志先生、入江美聡先生らの論文がCommun Biolに掲載されました。
• 福永興壱教授、感染症学教室・南宮湖講師らを中心としたCOVID-19 Host Genetics Initiativeの論文がNatureに掲載されました。
• 安田浩之准教授、福永興壱教授らの論文がWorld J Surg Oncolに掲載されました。
• 森田篤帆先生らの論文がJ Infect Chemotherに掲載されました。
• 中川原賢亮先生らの論文がVaccine Xに掲載されました。
• 寺井秀樹講師らの論文がRespir Investigに掲載されました。
• 田中拓先生らの論文がRespir Resに掲載されました。
• 当科　福永教授、感染症科長谷川教授らの論文がCost Eff Resour Allocに掲載されました。
• 当科　堀内先生の論文がOncologistに掲載されました。
• 当科　田中先生の論文がInt J Infect Disに掲載されました。
• 当科　奥隅先生の論文がIntern Medに掲載されました。
• 当科　田中先生の論文がInt J Infect Disに掲載されました。
• 当科　小澤先生、朝倉先生らの論文がRespir Investigに掲載されました。
• 当科　森田先生の論文がBMC Pulm Medに掲載されました。
• 当科　福永教授らの論文がCost Eff Resour Allocに掲載されました。
• 当科　福永教授らの論文がAllergyに掲載されました。
• 当科　阿瀬川先生の論文がBMJ Open Respir Resに掲載されました。
• 当科　正木先生の論文がAsian Pac J Allergy Immunolに掲載されました。
• 当科　福永教授らの論文がiScienceに掲載されました。
• 当科　入江先生の論文がCell Repに掲載されました。
• 当科　福永教授らの論文がRespirologyに掲載されました。
• 当科　加治先生の論文がInfect Drug Resistに掲載されました。
• 当科　島田先生の論文がRespir Medに掲載されました。
• 当科の福永教授と感染症学教室の南宮講師らが中心となり進めているコロナ制圧タスクフォースのデータを用いた論文がNature Geneticsに掲載されました
• 当科の福永教授らの論文がAllergology International に掲載されました
• 当科の福永教授らの論文がAllergology International に掲載されました
• 当科　田中先生の論文がInt J Infect Disに掲載されました。
• 当科　中川原先生の論文がJ Infect Chemotherに掲載されました。
• 当科　中川原先生の論文がBMC Pulm Medに掲載されました。
• 当科　高岡先生の論文がOncoTargets and Therapyに掲載されました。
• 当科　胡谷先生の論文がCell Repに掲載されました。
• 当科・奥隅先生・鎌田先生らの論文がIntern Medに掲載されました。
• 当科出身・感染症学教室の南宮湖先生および当科・福永教授らによる「コロナ制圧タスクフォース：COVID-19 疾患感受性遺伝子 DOCK2 の重症化機序を解明」についての研究成果がNatureに掲載されました。
• 当科・栗原先生の論文がRespirology Case Reports に掲載されました。
• 当科・田野﨑先生の論文がInflammationに掲載されました。
• 当科・田野﨑先生の論文がAllergology Internationalに掲載されました。
• 当科・田中拓先生、加畑宏樹先生らの論文がThoraxに掲載されました。
• 当科・福島先生、東京医療センター呼吸器科・小山田先生らの論文がClinical Lung Cancerに掲載されました。
• 当科・福島先生、中鉢先生らの論文がInternational Journal of Infectious Diseasesに掲載されました。
• 当科・浅岡先生、加畑先生らの論文がFront Immunolに掲載されました。
• 当科・宗先生、加畑先生らの論文がRespirologyに掲載されました。
• 当科・田野崎先生、加畑先生らの論文がInflammationに掲載されました。
• 当科・入江先生、加畑先生らの論文がAllergol Intに掲載されました。
• 当科・加畑先生の論文がAdv Exp Med Biolに掲載されました。
• 当科・加畑先生らの論文が Crit Careに掲載されました。
• 当科・田中拓先生の論文がBMC Pulm Medに掲載されました。
• 当科・田中拓先生の論文がInfect Drug Resistに掲載されました。
• 当科・中川原先生の論文がBMJ Open Respir Resに掲載されました。
• 当科・谷先生の論文がCancer Manag Resに掲載されました。
• 当科・田中先生の論文がInt J Infect Disに掲載されました。
• 当科・岡森先生の論文がAm J Physiol Lung Cell Mol Physiolに掲載されました。
• 当科・荒井先生の論文がOncologistに掲載されました。
• 当科・中川原先生の論文がRespir Med Case Repに掲載されました。
• 当科・Hegab先生の論文がStem Cells Devに掲載されました。
• 当科・小川先生の論文がRespir Medに掲載されました。
• 当科・宮田先生の論文がFront Immunolに掲載されました。
• 当科・浅岡先生の論文がBMJ Case Repに掲載されました。
• 当科・石岡先生の論文がCancer Resに掲載されました。
• 当科・胡谷先生の論文がCell Repに掲載されました。
• 当科・奥隅先生の論文がAm J Respir Cell Mol Biolに掲載されました。
• 当科・堤先生の論文がSci Repに掲載されました。
• 当科・堀内先生の論文がLung Cancerに掲載されました。
• 当科・寺井先生の論文がMol Cancer Resに掲載されました。
• 当科・冨保先生の論文がChestに掲載されました。
• 当科・南宮先生の論文がEur Respir Jに掲載されました。
• 当科・笹原先生、南宮先生らの論文がClin Case Repに掲載されました。
• 当科・田中先生、南宮先生らの論文がInt J Infect Disに掲載されました。
• 当科・中川原先生、南宮先生らの論文がBMJ Open Respir Res に掲載されました。
• 当科・福永先生の論文がArerugiに掲載されました。
• 当科・森田先生、南宮先生らの論文がClin Case Repに掲載されました。
• 当科・南宮先生らの論文がJ Cardiol Casesに掲載されました。
• 当科・中村守男先生らの論文がThe Asian Pacific Journal of Cancer Careに掲載されました
• 当科・島田嵩先生、中村守男先生らの論文がIntern Medに掲載されました
• 当科・中村守男先生らの論文がRespirol Case Repに掲載されました
• 当科・中村守男先生らの論文がCureusに掲載されました
• 当科・中村守男先生らの論文がAsian Pac Cancer Careに掲載されました。
• 当科　茂松梨咲先生、中村守男先生らの論文がJ Investig Med High Impact Case Repに掲載されました
• 当科　中村守男先生らの論文が日本呼吸器学会誌に掲載されました
• 当科　高橋左枝子先生らの論文がRespirol Case Repに掲載されました
• 当科　中村守男先生らの論文がRespir Med Case Repに掲載されました
• 当科　中村守男先生らの論文がJ Investig Med High Impact Case Repに掲載されました。
• 当科 橋口水葉先生の論文がThoracic cancerに採用されました。
• 当科 西江美幸先生の論文がAsia Pacific Allergyに採用されました
• 当科 正木克宜先生の論文がAsia Pacific Allergyに採用されました
• 当科 中鉢正太郎先生の論文がRespiratory Researchに採用されました。
• 当科 竹原朋宏先生の論文がCommunications Biologyに採用されました
• 当科出身、感染症学教室専任講師の南宮湖先生の論文がEuropean Respiratory Journalに採用されました。
• 当科出身、ミシガン大学留学中の八木一馬先生の論文がAnn ATSに採用されました
• 当科出身、埼玉医科大学呼吸器内科専任講師の白畑亨先生の論文がRespirology Case Reportに採用されました
• 当科出身、埼玉医科大学呼吸器内科専任講師の白畑亨先生の論文がRespiratory Researchに採用されました
• 当科 西江美幸先生の論文がBMJ Case Reportsに採用されました
• 当科 砂田啓英也先生：The effect of statins for asthma. A systematic review and meta-analysis
• 当科 福島貴大先生：The real-time reverse transcription-polymerase chain reaction threshold cycle values for severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 predict the prognosis of coronavirus disease 2019 pneumonia
• 当科 持丸貴生先生の論文がAllergology Internationalに採用されました
• 当科 尾崎真理研究員の論文がJ Stem Cells Regen Medに採用されました
• 当科 大塚健悟先生の論文がRespirationに採用されました
• 当科 長尾元太先生の論文がBMJ Case Reportsに採用されました
• 当科 小林慧悟先生の論文がBiochem Biophys Res Communに採用されました
• 当科 秋山勇人先生の論文がRespiratory medicineに採用されました
• 当科 寺井秀樹先生、浜本純子研究員の論文がMolecular Cancer Researchに採用されました
• 当科 大塚健悟先生の論文がSleep Breathに採用されました
• 当科 持丸貴生先生：Blood eosinophil and neutrophil counts differentially identify frequent exacerbation in patients with COPD with physician-diagnosed asthma and COPD
• 当科 砂田啓英也先生：Analysis of clinical outcomes in elderly patients with impaired swallowing function.
• 当科 石井誠先生：Clinical characteristics of 345 patients with coronavirus disease 2019 in Japan: a multicenter retrospective study
• 当科 岡森慧先生：Coronavirus disease 2019-associated rapidly progressive organizing pneumonia with fibrotic feature: Two case reports
• 当科 堀内康平先生：巨大気腫性嚢胞に合併した気胸により縦郭偏移を認めた一例
• 当科 堀内康平先生：T790M変異を獲得したEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌における髄内転移に対してオシメルチニブが有効であった一例
• 当科 加畑宏樹先生(Co-first)：抗TSLP抗体 -2型免疫応答を惹起する重要なサイトカインを阻害-
• 当科 小林慧悟先生：第6次肺癌合同登録事業データベースを用いたEGFR変異陽性非肺腺癌患者のバイオマーカー検索
• 当科 扇野圭子先生：非小細胞肺癌の細胞内活性酸素レベルはABT-263の感受性に関連する
• 当科 堀内康平先生：治療抵抗性肺炎として提示されたPlacental transmogrification of the lungの一例
• 当科 正木克宜先生：中等症・重症喘息における吸入ステロイド薬のアドヒアランス不良因子の分析
• 当科 田野﨑貴絵先生：Clinical characteristics of patients with not well-controlled severe asthma in Japan: Analysis of the Keio Severe Asthma Research Program in Japanese population (KEIO-SARP) registry.
• 当科 中川原賢亮先生：軽症・無症状の新型コロナウィルス感染症陽性者の味覚・嗅覚障害は高ウイルス負荷と関連する
• 当科 加畑宏樹先生：細胞特異的TSLP受容体ノックアウトマウスを用いた2型気道炎症誘導機序の解明
• 当科 小川卓範先生：Successful Treatment for Hypercalcemia due to Cosecretion of Parathyroid Hormone-Related Protein and 1,25-Dihydroxyvitamin D3 in Non-Small-Cell Lung Cancer: A Case Report and Literature Review.
• 当科 中山真吾先生：心臓超音波検査を用いた肺高血圧合併COPD患者の臨床的特徴
• 当科 正木克宜先生：モバイル呼気中一酸化炭素測定器連動禁煙支援スマホアプリの有効性検証（ランダム化比較対照試験）
• 当科 馬塲里英先生：Repetitive instructions at short intervals contribute to the improvement of inhalation technique.
• 当科 堤昭宏先生：Exposure to Cigarette Smoke Enhances the Stemness of Alveolar Type 2 Cells.
• 当科 小川卓範先生：Drug-induced pneumonitis following the administration of laninamivir octanoate: The first two reported cases.
• 当科 持丸貴生先生：慢性好酸球性肺炎に続発したアレルギー性気管支肺アスペルギルス症の一例
• 当科 眞鍋維志先生：肺癌においてIGF2の自己分泌によるIGF1R活性化は臨床に関連したオシメルチニブの耐性化機序である
• 当科 秋山勇人先生：肺血栓塞栓症を合併した非重症COVID-19の1例
• 当科 鈴木翔二先生：ADAM17はCD62L陽性白血球の浸潤抑制によりマウスエラスターゼ誘導性肺気腫の形成を抑制する
• 当科 楠本竜也先生：肺非結核性抗酸菌症の経過観察中の肺癌合併患者の検討
• 当科・石岡宏太先生、茂松梨咲先生らの論文がCurrent Problems in Cancer: Case Reportsに掲載されました

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