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Achievements

当科 阿瀬川先生の論文がBMJ Open Respir Resに掲載されました。

【題名】

Serum KL-6 levels predict clinical outcomes and are associated with MUC1 polymorphism in Japanese patients with COVID-19.

【邦題】

日本人COVID-19患者において血清KL-6値は重症化を予測する

【著者】

Azekawa S, Chubachi S, Asakura T, Namkoong H, Sato Y, Edahiro R, Lee H, Tanaka H, Otake S, Nakagawara K, Fukushima T, Watase M, Sakurai K, Kusumoto T, Masaki K, Kamata H, Ishii M, Hasegawa N, Okada Y, Koike R, Kitagawa Y, Kimura A, Imoto S, Miyano S, Ogawa S, Kanai T, Fukunaga K; Japan COVID-19 Task Force.

【掲載ジャーナル】

BMJ Open Respir Res. 2023 May;10(1):e001625. doi: 10.1136/bmjresp-2023-001625.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37230764/

【論文要旨】

Krebs von den Lungen-6(KL-6)は、間質性肺疾患の診断およびモニタリングのためのバイオマーカーとして知られている。しかし、COVID-19の転帰における血清KL-6の役割はまだ解明されていない。日本人COVID-19患者に関する大規模な多施設共同研究プロジェクトであるコロナ制圧タスクフォースのデータを用いて日本人のCOVID-19患者における血清KL-6値、重篤な転帰、およびKL-6発現に関連するMUC1遺伝子多型との関係を評価した。血清KL-6値は、重症COVID-19患者において(511±442 U/mL)、非重症患者(279±204 U/mL)よりも有意に高かった(P < 0.001)。重篤な転機を予測する血清KL-6のカットオフ値をROC曲線分析により算出するとKL-6≧304 U/mLであり、カットオフ値に比してKL-6が高値であることは、既知のリスク因子となる併存症と独立した重篤化リスク因子であった(aOR 3.47、95%CI 2.44-4.95)。また、年齢および性別を加えた多変量ロジスティック回帰分析により、MUC1遺伝子変異は血清KL-6値の上昇と独立して関連していたが(aOR 0.24;95%CI:0.28-0.32)、重篤な転帰とは有意に関連しなかった(aOR 1.11;95%CI:0.80-1.54)。

【本論文の与えるインパクトや将来の見通し】

血清KL-6値は、日本人COVID-19患者の重篤な転帰を予測した。また、MUC1遺伝子多型はCOVID-19患者における血清KL-6発現と関連していたが重症な転機とは関連しなかった。COVID-19患者における入院時血清KL-6値の評価はCOVID-19の重篤な転帰に有用なバイオマーカーとなる可能性がある。


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