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Achievements

当科 堀内先生の論文がOncologistに掲載されました。

【題名】

Pre-existing Interstitial Lung Abnormalities and Immune Checkpoint Inhibitor-Related Pneumonitis in Solid Tumors: A Retrospective Analysis

【著者】

Kohei Horiuchi 1 2Shinnosuke Ikemura 1 3Takashi Sato 1 4Keitaro Shimozaki 5Satoshi Okamori 1Yoshitake Yamada 6Yoichi Yokoyama 6Masahiro Hashimoto 6Masahiro Jinzaki 6Ikuko Hirai 7Takeru Funakoshi 7Ryuichi Mizuno 8Mototsugu Oya 8Kenro Hirata 3 5Yasuo Hamamoto 3 5Hideki Terai 1Hiroyuki Yasuda 1Ichiro Kawada 1Kenzo Soejima 1 9Koichi Fukunaga 1

【掲載ジャーナル】

Oncologist. 2023 Aug 17;oyad187. doi: 10.1093/oncolo/oyad187. Online ahead of print.

【論文要旨】

背景:免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の有効性は広く知られているものの、免疫関連有害事象(irAE)については注意を要する。とりわけ肺障害は重篤になりうるものであるが、リスク因子については十分には知られていない。今回我々は背景肺の間質性変化(interstitial lung abnormalities)が肺障害のリスク因子となるのかについて、後方視的に検討した。

方法:非小細胞肺癌、悪性黒色腫、腎細胞癌、胃癌の患者で2014年9月から2019年1月の間にnivolumab, pembrolizumab, atezolizumabを投与された症例を後方視的に検討した。臨床経過、ICI投与前胸部CT、irAEについての情報を抽出した。背景肺の間質性変化は既報に従い分類された。

結果:抽出した209例のうち、23例でICI関連肺障害を発症した。背景肺の間質性変化はいずれの分類も統計学的に有意なリスク因子とはならなかった。他に探索した背景肺の表現型についても有意にリスクとなるものは指摘されなかった。

結論:本研究では背景肺の間質性変化やそのほかの表現型をICI関連肺障害の有意なリスク因子として指摘できなかった。ICI関連肺障害のリスク因子の探索にはさらなる研究が望まれる。

 

【本論文の与えるインパクトや将来の見通し】

間質性肺炎症例にICIを使用することが安全ではない点は周知の事実であるが、実臨床においてICIが使用される範疇の軽微な間質性変化がどこまでICI関連肺障害のリスクとなっているかが本研究の焦点である。本研究では有意差でもってリスクを指摘することはできず、おおよそ軽微な間質性変化であればICIの使用が大きなリスクとはならないことを示唆しうるものである。しかしながら引き続き実臨床においては間質性変化のある症例におけるICI使用については慎重な吟味が求められる。


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