世界一の長寿国である日本は、これまでどこの国も経験したことのない「超高齢化社会」をむかえようとしています。人口統計によると、2003年に19%を占めている高齢者人口(65歳以上の人口)は、2015年には25%を超えることが予測されています。このような急激な社会構造の変化は、高齢者医療の現場にも少なからず影響をおよぼしています。
「寝たきり老人」「呆け老人」「老々介護」などの言葉から連想される高齢期は必ずしも明るいものではありません。"successful aging(質のよい高齢期)"をいかに達成するかという課題とともに、増加する高齢者の診療や介護をどのように行うかが高齢者医療にあたえられた重要な問題となっています。また、生活習慣病とそれに関連する動脈硬化性疾患の予防やマネージメントは、successful agingを達成するために欠かせないテーマです。
一方、高齢者にとっては、単に「寿命の延長(延命)」を第一とするような医療が最良の医療であるとは言えなくなってきました。特に、高齢になればなるほど残された人生の質(quality of life : QOL)を重視した医療が望まれます。高齢者は、さまざまな疾患を併せ持つことが多く、また、同じ暦年齢でも身体活動性、認知機能、各臓器の予備能などは個人差が大きいことが特徴です。そのため、従来の疾患別、臓器別に分かれた医療では個人が細分化され、全体としてはマイナスの結果をもたらすことも珍しくありません。
私たち老年内科では、このような高齢者の特性をふまえ、一人一人の全体像を包括的(全人的)に評価して、個人にあったオーダーメード医療を提供するべく日々努力しております。そして、人生の先輩である高齢者の生命の輝きを大切に考えた医療を心がけています。
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