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内科専修医座談会

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参加者:

中島 秀明

(内科研修担当主任)

田部井 亮太

(名古屋市立大学卒、初期研修先:さいたま市立病院)

原口 水葉

(慶應義塾大学卒、初期研修先:東京歯科大学市川総合病院)

露無 圭子

(山口大学卒、初期研修先:北里研究所病院)

荒井 大輔

(福島県立医大卒、初期研修先:慶應義塾大学病院)

中島:

本日は専修医1年目で研修中の4人の先生にお集まりいただきました。まずは自己紹介からお願いします。出身大学、初期研修先や慶應を選んだ理由などを教えて下さい。

露無:

出身は自宅近くの山口大学、初期研修は北里研究所病院でした。内科に進むことを決めた段階で、大きな組織で広く学びたいと思いました。慶應病院では2年間かけてすべての診療科をローテートすることが魅力でしたし、初期研修先の先輩に勧められたことも慶應に入るきっかけでした。

中島:

最終的にはいつ決められたのですか。

露無:

締め切りの直前まで麻酔科と内科で悩みました。肺がん患者さんの診断から亡くなるまで担当させていただく機会があり、オンコロジーに興味を持ち内科を選びました。

田部井:

僕は名古屋市立大学を卒業後、さいたま市立病院で初期研修をしました。内科医になりたいと思い、先輩に慶應の内科専修医プログラムを勧められました。

中島:

全国から仲間が増えるのをうれしく思います。他の研修施設も考えましたか。

田部井:

実家の近くの大学も考えましたが、最終的に慶應を選びました。

荒井:

僕は福島県立医大出身です。初期研修を慶應病院でしました。初期研修ではすべての内科を回ることができませんでした。そこで、全診療科をローテートできる慶應内科の専修医コースに入りました。

中島:

慶應の内科後期研修の特徴は、全ての診療科をローテートできることですね。

原口:

原口さん

私は慶應大学出身で、初期研修は東京歯科大学市川総合病院でした。外科か産婦人科に進もうと考えていましたが、2年目の最後にベッドサイドにいる時間が長い内科に決めました。後期研修をするにあたり市中病院も考えましたが、専門領域を決めかね、全診療科をローテートできる慶應プログラムに魅力を感じました。

中島:

内科に進むことを決めたものの専門分野を決めかねている初期研修医の先生には、総合内科医としての実力を身につけながら専門領域を決めるまで2年間あるのも確かに魅力ですね。

中島:

他の医療機関で初期研修をしてから、初めて慶應病院で働き始めていかがでしたか。

露無:

最初はコンピュータシステムに慣れるのに苦労しました。良い点では、指導医の先生方が研修医のローテート制度に慣れていて働きやすかったです。

田部井:

初期研修で勉強できなかったことを学べました。4月から市中病院で2年目の研修をしますので、そこで実践応用したいと思います。

中島:

露無さん、田部井くんは初期研修を市中病院で行いましたね。市中病院と大学病院での違いを感じますか。

田部井:

さいたま市立は循環器と呼吸器領域に重点が置かれていました。大学ではすべての分野に専門医がいるのが特徴です。

露無:

市中病院では体を動かして覚え、大学病院では体を動かしながら調べ物を通じて知識も増やす研修生活でした。見たことがない珍しい症例をたくさん経験しました。

中島:

そうですね。市中病院では一般的な診療技術を学び、大学病院では専門性の高い知識と技術を習得する機会が多いですね。他に感想はありますか。

荒井:

あっという間の一年でした。初期研修の時よりも、落ち着いて本を読めるようになりました。

中島:

それだけ充実した一年だったのですね。原口さんはいかがですか。

原口:

楽しかったです!私は大学で働くことを当初心配していましたが、問題解決型のアプローチを学べました。あのまま市中病院に残っていたら、検査手技を磨くことができたかもしれませんが、問題点を見つけ解決する習慣を身につけられなかったかもしれません。

中島:

中島先生

大変よいポイントですね。市中病院の研修は実践型ですが、学問の基盤である問題解決型の考え方を習得するには、大学病院での研修がいいですね。慶應大学の内科では1年目に8診療科のローテート、2年目に教育関連病院で診療の実践を学びます。3年目から専門に進みますね。1年目は各専門科でその後の基盤となる高いレベルの総合力を身につけることは、とても大切なことだと思います。大学にいる間に、学会発表をされましたか。

荒井:

呼吸器内科の地方会で発表する機会をいただきました。とても緊張しましたが、学会、カンファなど人前で発表する機会が多くあり、勉強になりました。

中島:

ところで給与面はいかがでしたか。慶應では収入をサポートするため、外来研修もかねて教育関連病院での外勤を専修医の先生方にお願いしています。

露無:

初期研修と比べると年収は増えましたが、出費も少し多くなりました。書籍などは十分に買えました。

原口:

ほとんど気になりませんでした。

荒井:

初期研修よりも改善しました。生活には困りませんでした。

中島:

研修に集中できるだけの経済的基盤はあったということですね。教育関連病院での外勤についてはどう思われましたか。

田部井:

田部井君

最初は外来業務に戸惑いましたが、すぐに慣れました。僕は永寿総合病院と済生会中央病院の外来診療を担当し、忙しかったです。

露無:

東京歯科大学市川病院では初日から初診外来を担当しました。まわりの先生方にとても助けていただきました。一生忘れられない患者さんにも出会えました。

荒井:

僕は稲城市立病院の救急外来を担当しました。先輩たちに助けていただきながら、救急処置を行いました。大学病院では救急外来の経験が不足しており、良い経験になりました。

原口:

私は静岡市立清水病院で、再診外来を1年間通じて担当できました。朝早くから出かけて一日中、病棟から離れるのが不安でしたが病棟当番と指導医に応援していただきました。

中島:

外来診療のトレーニングとして、関連病院外来と慶應病院での内科外来補佐をしてもらっているのですが、皆さん外来診療の経験はプラスになったようですね。ところで、露無さん、田部井君、荒井君の3名は他大学出身ですね。慶應に入って感じたことはありますか。

露無:

露無さん

初期研修先の病院として北里研究所病院を選んだ時は、母校の山口大学に申し訳なく思いました。慶應に入る際には少々敷居が高いことを心配しましたが、入ってみると全国から色々な大学出身者が集まっていて、とても働きやすいことに気がつきました。むしろ東京出身の先生が、地方の大学で働く方が大変だと思います。

田部井:

僕も最初は不安でした。でも、最初に配属された血液内科の指導医が大変優しく接してくださり、安心して働けるようになりました。

荒井:

初期研修で働き始め、すぐに出身大学が関係ないことがわかりました。

原口:

今日の座談会で指摘されるまで出身大学を意識したことはありませんでした。出身大学は関係なく、後期研修の同期にはとても助けられました。

中島:

そうですね。慶應の内科は、ひとつの仲間です。ローテートした時に各診療科の知り合いが増えたと思います。これから一生の財産になりますね。

中島:

それでは、女性医師の支援について話題を変えましょう。失礼ですが、お二人は独身ですか。

原口:

はい。慶應には、女性医師の支援体制がありますか。

中島:

院内保育園もありますし、未就学児のいる女性医師が就業時間を短縮して勤務できる制度があります。しばらく臨床から離れていても、職場復帰を支援するプログラムも用意しています。お子さんを育てながら頑張っている女性医師の先生も増えています。先生方も是非頑張って下さい。慶應病院は、女性に優しい職場を目指しています。

中島:

4月から皆さんは教育関連病院に出向されますので、抱負を聞かせて下さい。

荒井:

荒井君

僕は3年間大学で研修をしました。市中病院で働くのが初めてなので緊張しています。伊勢原共同病院に出向します。

原口:

私は、横浜のけいゆう病院に出向します。この1年間は大学で疾患に対するアプローチを先輩から学びました。4月からは自分で判断する力を身につけたいです。

田部井:

僕は足利赤十字に出向します。4月からは主治医として独立しますので、責任を痛感します。

露無:

私は東京歯科大学市川総合病院に出向します。主治医としての責任感を持ち、しっかり勉強しながら体も動かします。再来年に指導医として大学に戻るためにも、実力をつけたいです。

中島:

ぜひとも教育関連施設では、多くのことを学んでください。出向先でもわからないことがあれば、いつでも慶應病院にいる先輩に連絡をください。

中島:

最後に慶應内科の研修プログラムに対する要望を教えてください。

原口:

早く専門領域に進みたい先生もいますが、私は総合力を身につけるために教育関連病院への出向が2年間になればよいと思います。

中島:

初期研修の2年間があるので、キャリア的には少々難しいですね。専修医コースを修了後、出向先の病院であらためて内科を総合的に担当することもできます。

荒井:

診療科によっては、配属期間が5週間なので短く感じました。たとえば、血液内科で化学療法の臨床経過を学ぶには、10週間は必要ですね。

露無:

私も5週間の研修は短いと思います。

中島:

1年間という限られた期間で全診療科を回るため、一部の科では配属が短くなります。今後の改善点に挙げておきたいと思います。最後に皆さんの将来像と後輩へのアドバイスをお願いします。

原口:

私は臨床がとても好きなので、大学病院での後期研修プログラムを選ぶのに当初抵抗がありました。でも実際に働いた感想として、臨床を100%やりたい後輩にも大学での研修がプラスになることをぜひ伝えたいです。

荒井:

初期研修は慶應で2年間しました。僕と同じく他大学出身で心配な場合は、いちど慶應病院を見学することをお勧めします。初期研修・後期研修とも慶應を選んでよかったです。指導医に加えて、同期が多いのも魅力です。

田部井:

将来像はまだ決めていません。大学など大きいところで研修をしたほうが視野は広がると思います。

露無:

将来像はこれからの経験をもとに作り上げたいと思います。慶應病院には、理想とする先輩が多く、とても刺激になりました。そのような環境で研修できて幸せです。どうぞ、慶應に入ってください。広く勧誘したいです。

中島:

慶應は門戸が広いですし、将来の選択肢も幅広く用意できます。臨床を中心に市中病院で活躍し、大学で専門性の高い診療や研究をすることもできますね。研究レベルが高いのも慶應の特徴で、大学院の質も高いです。みなさん、今日は忙しいところありがとうございました。これからも是非活躍してください。

集合写真
(撮影:伊達悠岳)