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当科 小林慧悟先生:第6次肺癌合同登録事業データベースを用いたEGFR変異陽性非肺腺癌患者のバイオマーカー検索

題名

Key prognostic factors for EGFR-mutated non-adenocarcinoma lung cancer patients in the Japanese Joint Committee of Lung Cancer Registry Database.

邦題

第6次肺癌合同登録事業データベースを用いたEGFR変異陽性非肺腺癌患者のバイオマーカー検索

著者

慶應義塾大学医学部 呼吸器内科 小林慧悟

掲載ジャーナル

Lung Cancer

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32590236/

論文要旨

背景

EGFR陽性非腺癌(ADC)患者に対するEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の有効性は十分に確立されていない。本研究ではこれらの患者におけるEGFR-TKIの有効性に影響を与える予後因子の解析を行った。

方法

国内の教育病院で2012年に病理学的に診断された肺癌患者12320例を後方視的に抽出した。追跡調査は2016年に終了した。

結果

EGFR陽性非ADC患者はADC患者に比べて癌性胸水および遠隔転移を起こしやすかった(P = 0.0710.022)。EGFR陽性非ADC患者では、EGFR-TKI治療を受けている患者で全生存期間(OS)が有意に長かった(HR 4.525.5ヵ月vs7.5ヵ月、P0.001)。EGFR-19del変異陽性非ADC患者のOSL858R変異陽性患者よりも有意に長かった(HR 3.219delは未到達、L858R15.5ヵ月、P = 0.002)。

考察

EGFR変異非ADC患者は癌性胸水と遠隔転移を起こしやすかった。ADCEGFR-del19陽性非ADC患者はいずれもEGFR-TKI治療の恩恵を被るが、EGFR-L858R陽性非ADC患者は異なる治療オプションを検討すべきである。

本論文の与えるインパクトや将来の見通し

これまで「EGFR陽性非腺癌」に関する治療方針は『肺癌診療ガイドライン』でもエビデンスがないとされていた。本研究により非腺癌でもEGFR陽性であれば、EGFR-TKIを使用することでOSの延長が得られることが初めて証明された。実臨床では非腺癌の場合EGFR遺伝子変異の検索を提出していない可能性もあり、本研究により、積極的にEGFR遺伝子変異を検索し、患者の予後改善に繋がることを期待する。


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