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Achievements

当科 持丸貴生先生:慢性好酸球性肺炎に続発したアレルギー性気管支肺アスペルギルス症の一例

題名

Allergic bronchopulmonary aspergillosis in succession to chronic eosinophilic pneumonia.

邦題

慢性好酸球性肺炎に続発したアレルギー性気管支肺アスペルギルス症の一例

著者

慶應義塾大学医学部 呼吸器内科 持丸貴生

掲載ジャーナル

Allergology International

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30670338/

論文要旨

背景

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)はAspergillus fumigatusに対する免疫応答によって生じる呼吸器疾患である。呼吸機能低下を来たしうる疾患だが、その病態は完全には解明されていない。

症例

気管支喘息の既往のある26歳女性。喘息コントロールは良好であったが、胸部CTで左下葉に腫瘤影を認めた。末梢血好酸球ならびにIgE高値だが、アスペルギルス特異的IgE、沈降抗体はいずれも陰性であった。気管支鏡ならびにCTガイド下肺生検が施行され、病理学的には好酸球の浸潤があり、気管支肺胞洗浄液中の好酸球の上昇を認めた。悪性細胞や真菌は認められなかった。慢性好酸球性肺炎の診断となり、全身性ステロイド治療が検討されたが、通院を自己中断された。

5年後に再度受診され、胸部CTで腫瘤影は消失したが気管支拡張ならびに粘液栓を認めた。アスペルギルス特異的IgE、沈降抗体いずれも陽転化し、皮内反応も陽性であった。以上からABPAと診断し、全身性ステロイド治療で陰影は改善した。

本論文の与えるインパクトや将来の見通し

慢性好酸球性肺炎に続発したABPAの一例を経験した。慢性好酸球性気道炎症がABPAの発症母地となる可能性が示唆され、ABPAの病態解明の一助となりうると考えられた。


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