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Achievements

当科 眞鍋維志先生:肺癌においてIGF2の自己分泌によるIGF1R活性化は臨床に関連したオシメルチニブの耐性化機序である

題名

IGF2 Autocrine-Mediated IGF1R Activation Is a Clinically Relevant Mechanism of Osimertinib Resistance in Lung Cancer

邦題

肺癌においてIGF2の自己分泌によるIGF1R活性化は臨床に関連したオシメルチニブの耐性化機序である

著者

慶應義塾大学医学部 呼吸器内科 眞鍋維志

掲載ジャーナル

Molecular Cancer Research

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31941753/

論文要旨

肺癌は悪性腫瘍の中で死亡率が最も高く、予後不良の疾患である。その原因の1つとして分子標的薬の効果が失われる「耐性化」が挙げられる。本研究では、産業技術総合研究所が作成した新規プロテインアレイによって、肺癌細胞株にEGFR阻害薬を投与した早期からIGF1Rシグナルが活性化することを同定した。そして、EGFR阻害薬の中でも特に、第3世代であるOsimertinibの耐性化にIGF1Rシグナルが強く関わることを発見した。in vitroで作成した肺癌耐性株と患者由来の肺癌耐性株の2つを用いて、IGF1Rの活性化がそのリガンドであるIGF2の過剰発現によるものであることを証明した。また、その耐性化を克服する方法としてIGF1R阻害薬とIGF2中和抗体がそれぞれ有用であることを検証した。さらには、この耐性化メカニズムが実臨床でも生じることを実際の肺癌患者の胸水、組織検体を用いて確認した。

本論文の与えるインパクトや将来の見通し

本研究ではIGF2自己分泌によるIGF1R活性化がOsimertinibの耐性化機序であることを証明した。また、この耐性化機序が実臨床でも起こりえることを示し、Osimertinib耐性後の肺癌患者の治療選択肢を広げる可能性があった。


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