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Achievements

当科・田野﨑先生の論文がAllergology Internationalに掲載されました。

題名

Clinical characteristics of patients with not well-controlled severe asthma in Japan: Analysis of the Keio Severe Asthma Research Program in Japanese population (KEIO-SARP) registry 

著者

慶應義塾大学医学部 呼吸器内科 田野﨑貴絵 

掲載ジャーナル

Allergology International 2021;70(1):61-67. 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32651123/ 

論文要旨

背景:日本人重症喘息のうちコントロール不良の重症喘息患者の特徴は明らかでない。 

目的:コントロール不良の日本人重症喘息患者の特徴を検討する。 

方法:慶應義塾大学病院とその関連病院で集められた20歳以上の喘息患者のうち、GINA2018 でStep 4または5の患者を重症喘息患者とし、GINA基準でコントロール良好・不良に分け解析を行った。また、GINA step、喘息コントロール状態、1年以内の増悪の有無、血中好酸球数、ペリオスチン、嗅覚異常の有無を変数としてクラスター解析を行った。 

結果:対象となった重症喘息患者154名(男性46.8%、60.1 ± 14.9歳)のうち、87名(56.5%)がコントロール不良と判断された。喘息コントロール状態による臨床的特徴の差は明らかなものはなかった。しかし、クラスター解析では5つのクラスターに分類され(cluster 1: コントロール良好、cluster 2: 好酸球増多、cluster 3: 非2型炎症、cluster 4: 高ペリオスチン、cluster 5: 成人発症の2型炎症、cluster 2-5がコントロール不良であった。中でもcluster 3が最もコントロール不良の割合が多かった。 

結論:日本人コントロール不良重症喘息は多様性のある集団であることが分かった。特に非2型炎症を特徴とする一群がコントロール不良であることがわかり、今後の治療方法の開発が待たれる。 

本論文の与えるインパクトや将来の見通し

日本人重症喘息患者において、臨床でも問題となる非2型炎症の一群が重症喘息の中でコントロール不良であることが分かった。重症喘息に対する抗体製剤は次々と開発されているが、このような一群への治療につながる製剤の開発が待たれる。 


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